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ジョギング日記  3月第1週分        

2016.3.5.(土)

「21番目の素敵な出逢い」

 午後から、横浜市磯子区民文化センター杉田劇場で「21番目の素敵な出逢い」のイベントに参加。私の役割は、第3部の「スペシャル・トークショー」で対談の相手をすること。2月27日の日記では「誰もの知る女優」との対談と書いたが、お相手は常盤貴子さんである。対談の前の第2部では本日のメインイベントである演劇「21番目の素敵な出逢い」があった。常盤さんも出演している。私は客席で見ていたが、幕開けの場面から涙が出てきてしまった。最後の場面で、出演者の子ども(全員がダウン症など知的障害を持つ)が、「お母さんに逢いたい!」と一人ひとり絶叫するところでは、またも涙、涙となった。

 この演劇は、300人の聴衆の心を打ったようである。ダウン症の子の演技は独特の味があるということも知ってもらったと思う。「この子たちに教えられることばかりでした」と対談で語る常盤さんの熱演にも驚いたのではないか。私にとっても、心に残るイベントであった。神奈川大学の障害福祉論ゼミの4人はボランティアとして会場運営にがんばってくれた。

 このイベントを企画し、演劇の脚本を書き、常盤貴子さんを巻き込んだ内海智子さんは、1ヶ月以上寝る暇もないほどの忙しさだった。長男の隼吾君は第1部の「ダウン症のあるパフォーマーたちによる演奏」で「宇宙戦艦ヤマト」と「見上げてごらん夜の星を」の独唱に参加。ご主人の邦一さんはプロデューサー補。次男の竜太君は全般的協力と内海家挙げての事業だった。大成功に終わったイベント、内海智子さんが一番ホッとしていることだろう。本当にお疲れ様でした。


2016.3.4.(金)

辺野古訴訟、和解が成立

 「新宿駆け込み餃子」にて、東大時代の同級生の「五人会」。静岡から駆けつけた望月邦計君も含め、きっちり五人集まって楽しいおしゃべりのひととき。玄秀盛さんも加わって、出所者居酒屋の話を展開する場面もあった。実は、これが幹事として会場をここに決めた理由である。内田晴康、平川修両弁護士にも興味を持ってもらえたらいいという思いもあった。それはともかく、日程調整に苦しんでやっと設定できた会合である。楽しくないはずがない。「歌舞伎町なんて何十年ぶりだろう」という鍋倉真一君。50年前に東大駒場で一緒だった縁で、こうして続いている縁を大事にしたい。

 安倍晋三首相は、辺野古移設問題に関して福岡高裁那覇支部が示した和解案を受け入れる方針を決め、工事中止を中谷元防衛相に指示したとのニュースが飛び込んできた。首相がよくぞ決断したということではない。訴訟のごたごたを一旦白紙に戻し、またここから辺野古移転に向けての作戦を展開するということだから、闘いは「一事中断」ということだろう。いずれにしても、解決までは長期戦になることはまちがいない。


2016.3.3.(木)

日程3件

 9時半に峯岸宗弘君と神田錦町の日本骨髄バンクを訪問。広報と寄付募集について、峯岸君からいくつかの助言をする。これも恩返しプロジェクトの一環である。

 16時に神田小川町のぶどう社訪問。亡き市毛研一郎のDNAを引き継ぐ娘さやかさんと本の出版について打ち合わせ。話しているうちに、双方納得できる素敵な案が飛び出して、双方ともに興奮したりして。

 18時半神田須田町のステーションコンファレンス万世橋にてPLN会員に向けて講義。少人数であるが、熱心な聴講生の熱気を感じて、こちらも熱の入った講義をさせてもらう。テーマは「運命を生きる」。講義後、「肉の万世」での食事会が楽しかった。その後、帰りの電車が大幅に遅れて、帰宅が遅くなったのは楽しくなかった。


2016.3.2.(水)

スーパーチューズデー

 「ミヤネ屋」出演で大阪へ。水曜日の出番は珍しい。コメンテーター仲間は久しぶりのデーブ・スペクター、赤星憲広、橋本五郎の各氏。事件ネタ、芸能ネタもあったが、スーパー・チューズデーの話題がメインである。共和党はドナルド・トランプ、民主党はヒラリー・クリントンが順当に勝利。スタジオでは、トランプ氏がこのまま共和党の指名を得て、大統領選まで行くのか、さらには大統領に選ばれるのかの話題で盛り上がった。

 それにしても、アメリカの大統領選び、しかも予備選の段階なのに、日本にいる我々がどうしてここまで興味を示すのだろうか。今回、特に興味度満点に近くなっているのは、ドナルド・トランプという(トリック)スターの存在であることはまちがいない。


2016.3.1.(火)

「お試し改憲」はおかしいよ

 1日遅れの3月が到来した。3月の声を聞くだけで、陽の光が春めいて感じられる。そんな中、今日も昼の散歩にでかけた。3月の散歩、ことさらに気持ちがいい。

 その3月1日、日本経済新聞の朝刊で、大山健太郎さんの「私の履歴書」の連載が始まった。大山さんとは、宮城県知事時代に朝の勉強会を続けていた。「ユーメー塾」と名付けたその勉強会では、大山さんから経済や経営に関することなど、いろいろ教えていただいた。また、宮城県政にも多くのご示唆をいただいた。公私共にお世話になりっ放しである。今日の第1回目は、東日本大震災のところから始まった。日経新聞は、一番最後の面から読まれると言われているが、今月だけは、私もその一人となる。

 安倍晋三首相は、今日の衆議院予算委員会で、民主党の緒方林太郎議員の質問に対し、憲法改正について「三分の二を得ることができるものから取り組んでいきたい」と答弁した。こういった「憲法改正戦略」を聞くのは初めてではない。緒方議員の「お試し改憲だ」という批判に対しては「お試し改憲はレッテル貼りだ。政治の現実を私たちは知っている。三分の二を得ることができるものから改正するのは当たり前だ」と反論した。安倍首相からこういった「憲法改正戦略」を聞くのは初めてではない。何度聞いてもおかしい。憲法改正は、やるとしたら、今どうしても改正しなければならない項目からやるべきものである。国民の間でも、改正の機運がある程度高まっていることも、改正の条件である。「できるものから改正するのが当たり前」という感覚とは、相容れない。


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