浅野史郎のWEBサイト『夢らいん』

ジョギング日記  3月第2週分        

2016.3.11.(金)

東日本大震災から5年

 亡くなられた方の魂が安らかにと祈る。被災地の復興の早からんことを願う。


2016.3.10.(木)

高浜原発差し止め仮処分続報

 午後から、築地のがんセンターで放射線科の受診とMRI検査。MRI検査はガンガン、ドンドン大音響が20分以上続くのがつらいが、痛くないのがいい。それに、CTと違って、放射線被曝がないのがいい。こういって、次の項につなぐ。

 高浜原発差し止めの仮処分については、昨日書いたが、一夜明けての朝刊には、記事がたくさん載っている。事実関係ではなく、評価の部分を抜き出してみよう。原発再稼動に慎重な立場をとる朝日新聞を対象とする。

 1面の解説(編集委員・服部尚)「4月の電力自由化を前にコストの安い既存原発の再稼働を急ぐ電力会社や、国は繰り返された司法の警告を真摯に受け止めるべきだ」。3面の「考/論」では、(吉岡斉九州大学教授)「裁判官として原発の安全性に対して厳しい考えを持っており、冷静で公平な姿勢が強く出ている決定だ。・・・川内原発の抗告審など、ほかの原発での判断でも、新しい流れが生まれる可能性がある」。升田純元東京高裁判事は、今回の決定に批判的で、「裁判所の判断理由が13nとあまりにも少なく、乱暴な印象だ。説得力に欠け、最初から結論ありきだったのではないか」という。同じ3面には「国民の根強い原発に対する不安や、原発事故を起こしてはいけないという、国民の意思をよく受け止めたもの」という小泉純一郎元首相の談話が載っている。

 最後に、16面の社説から一部引用して、終わりにする。「地裁の判断は、なし崩しの再稼働に対する国民の不安に沿ったものである。安倍政権は、原発事故がもたらした社会の変化に真摯に向き合い、エネルギー政策の大きな転換へと動くべきである。・・・政権と少数の「原発ムラ」関係者たちが、いくら安全神話を復活させようとしても、事故前に戻ることはできない。原発はすでに大多数の国民の身近で重大な関心事なのである」。いつもながら、朝日新聞のスタンスははっきりしている。

 今回は、新聞記事の引用だけになってしまった。


2016.3.9.(水)

高浜原発運転差し止めの仮処分決定

 15時からの講演で雨模様の寒い中、小田原へ。さがみ信用金庫の主催の講演会で、テーマは「地方創生」。興味を持っていただけるか半信半疑だった。講演終了後、出口で何人か方に「とても面白かった」、「ためになった」、「信金にがんばってもらいたい」という反応があったので、一安心。

 関西電力高浜原発3、4号機の運転差し止めを求めて滋賀県の住民が申し立てた仮処分について、大津地裁(山本善彦裁判長)は9日、差し止めを命じる決定をした。昨年4月には、福井地裁(樋口英明裁判長)が再稼働差し止めの仮処分を決定したが、12月には同じ福井地裁(林潤裁判長)はこの仮処分決定を取り消した。二つの地裁が再稼働差し止めの仮処分を決定したことになる。そのことのもつ意味は大きい。地元福井県の西川一誠知事が安易に再稼働に同意していることをどう考えたらいいのだろうか。お隣新潟県の泉田裕彦知事が柏崎刈谷原発の再稼働について、「福島原発事故の検証・総括がないままの再稼働は論外」と主張しているのとは、好対照である。  


2016.3.8.(火)

米韓合同軍事演習

 暖かい朝。実に久しぶりになるが、朝の散歩とラジオ体操を実行。2月はなし。3月はここまでなしだった。藤崎さんには「長い冬眠でしたね」と言われてしまった。「今日は暖かいね」、「もう春だな」という声が飛び交う中で、2ヶ月ぶりのラジオ体操参加であった。春だなーに加えて平和だなーを感じる場面である。

 TBSテレビ「ひるおび」で、米韓合同軍事演習を話題にしていた。今回の演習は北朝鮮の核実験と長距離弾道ミサイル発射を受けて過去最大規模となる。参加兵力は計31万人を超す。テレビだけあって、迫力ある演習の模様が映しだされる。北朝鮮を挑発するのに十分過ぎるぐらいの迫力である。「平和だなー」の思いが断ち切られる。

 昨日の読売新聞の社説には「抑止力強化が北朝鮮の暴発を防ぐ」とあったが、そんなことはない。「暴発させて、トドメを刺す」作戦ではないかと思えるほどに、実戦を意識した大規模な演習を展開している。計画の中には、「斬首」decapitationという恐ろしいものもある。金正恩第一書記など北朝鮮幹部を標的にする作戦とのことだが、これを作戦に入れていることは脅しでは済まない。北朝鮮が暴発し、本物の戦争に発展するシナリオが頭をよぎる。やめてくれー。  


2016.3.7.(月)

住宅がみつからない

 今朝は気温が高いので、久しぶりに朝の散歩に行くつもりだったが、雨降りで断念。残念。横浜市には大雨警報が出ているぐらいだから、とても無理。この季節には、「一雨ごとに春が来る」といわれる。大きな一歩で春に近づいたようだ。

 本当の春がまだまだなのは、東日本大震災の被災地である。今も仮設住宅で暮らすのは、岩手、宮城両県で2万8千世帯という多さである。仮設住宅の入居期限は原則5年であるから、早い人では今春には退去期限となる。退去後の行き先が決まっていない世帯が約1割。中には、災害公営住宅に移ろうにも、低所得のため家賃が払えない人もいる。福島県からの自主避難者は仮説住宅扱いの民間賃貸住宅が無償で借りられるが、その無償提供があと1年で終わる。安心して暮らせる住宅がみつからないうちは、被災後の窮状は終わらない。  


2016.3.6.(日)

大震災からもうすぐ5年

 日中、散歩に出かける。途中で雨が降ってきそうだったので、早めに戻ってきた。我が家の門を開けたところで雨が降りだしたのはラッキーというべきなのだろう。日曜日ということもあってか、何人ものジョガーと行き交った。うらやましい、俺だっていつかジョガーに戻りたいという思いに駆られたりして。今は「散歩日記」になっているこの日記を本来のジョギング日記にしたいな。

 東日本大震災の5年目が近づき、このところの新聞・テレビでは特集記事や番組が多くなっている。今日の朝日新聞でも「『復興遅れる』首長45%」、「JR常磐線の全通『20年春まで』目標」、「99%減 森の恵み苦闘」(以上1面)、「被災鉄路 分岐の未来」(3面)、「首相 福島の被災地視察」(4面)。15面の読書欄の「ニュースの本棚」では「震災復興」として3冊の本が紹介されている。28面全面使って「なお遠い 我がまち再生」。33面も全面使って「『千人の声』2016」として顔写真入りで16人の被災者の声が紹介されている。35面は半分使って「震災5年の地震学」、そして39面には「父母が愛した楢葉で生きる」の記事。日経新聞の1面トップには「大震災から5年 再生への闘い@」として「復興 日本の映し絵」が掲載されている。

 今日の15時05分からの「NHKアーカイブス」は、「震災から5年、南三陸ある漁村の記録、住民だけで復興に奔走」という内容だったらしい。番組を見逃した私に、妻が「とても感動的だった」と解説してくれた。南三陸町の旧歌津町での住民による復興への軌跡というか奇跡。見損なったのが残念でならない。再放送があったら是非見たい。


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