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ジョギング日記 8月第4&5週分        

2016.8.31(水)

二人の知事の決断

 8月最後の日。昼の暑さは真夏並だが、朝晩は秋の風情が色濃くなっている。なんだか、ちょっぴり寂しい。季節の変わり目に毎度感じることである。

 そんな中、退院後初めての遠出で大阪へ。「ミヤネ屋」出演である。今回は保護者(光子)同伴。同席のコメンテーターは手嶋龍一、橋本五郎の両氏。今日のトピックは、台風10号の東北・北海道被害、高知東生、五十川敦子両被告の裁判、和歌山市従業員射殺事件の犯人溝畑泰秀容疑者の立てこもり事件。私の出番はあまりなかった。ニュースで小池百合子都知事の記者会見で豊洲移転延期の発表があったことについて報じられ、それについて、少しコメントしたぐらい。

 帰宅したら、朝日新聞の電話取材があり、この件、つまり小池都知事の豊洲移転延期の決定をどう思うか尋ねられた。概ね、次のように答えた。「合理的な判断だと思う。議会としても、決定プロセスを含め、この決断に異議を挟むことはむずかしいだろう」。

 知事の話題でもう一つ。新潟県の泉田裕彦が次回知事選出馬を撤回したニュースである。地元紙の新潟日報の「憶測記事や事実に反する報道」が泉田知事の立候補断念の理由だそうだが、多くの人が指摘するように、まったく不可解である。こんなことが理由になるもんか。何か、裏がありそうで気になって仕方がない。特に、私は泉田知事の原発再稼動への姿勢を高く評価していたので、なおさらである。


2016.8.29(月)

寺島実郎氏の最新著書

 このところしばらく、日記を休んでいた。少し長く休むと愛読者から「具合でもわるいのだろうか」と心配される。いや、別に体調が悪いわけではない。毎日、尿漏れ対策がメインで、合間にちょっと読書や仕事をしているということで、活動が何もないので、書くことがないというのが実態である。

 そんな中、我が友寺島実郎さんから最新の著書が届いた。東洋経済新報社の「中東エネルギー地政学ー全体知への体験的接近」である。5月の「四人会」で、「今とてもおもしろい本を書いている。8月に出版だ」と寺島さんから予告があった時から、自信作なんだろうなと期待していた。数日前にも「もうすぐ出ます。自宅に送らせますから」という電話があった。これまでも著書を何冊もいただいたが、こんなことは一度もなかった。

 303頁に及ぶずしりと重い本を手に取って、拾い読みをしただけだが、「これは確かに面白い本だ」と確信した。これまでの著書と少し違って、本人が登場している。副題に「体験的接近」とあるように、ドラマの主人公寺島実郎が数々の血湧き肉踊る体験や血も凍るような経験を経ていく中で、エネルギー地政学を中心とした全体知に近づいていく。寺島さんの著作を読むと、毎回知的な刺激を受けて興奮するのだが、今回の著書では、知的興奮だけでなく、文学的感銘(変な表現)までも受けてしまう。

 他にやることがあるのだが、もう少し読み進もう。


2016.8.25(木)

国立がんセンターでの受診

 血液内科での月に1度の受診と退院後初の泌尿器科での受診のため、築地の国立がんセンターへ。光子の付き添いつきだが、電車に乗るのは25日ぶり、退院後初の遠出である。朝のラッシュ時、駅も電車内も人が一杯。慣れないので、とまどってしまう。

 血液内科稲本先生のところでは、血液検査の結果はすべて正常、診察でも異常なし。毎回のことではあるが、これはこれで安心する。

 次の泌尿器科原先生のところでは、手術後の生検の結果を教えてもらった。前立腺のがんは、右側からだけみつかり、他への広がりはなし。20あるリンパ節にもがん細胞はなし。その他、考えられる最もいい結果であることを教えていただいて、光子ともどもほっとしたところである。原先生もおっしゃるように、あとは尿漏れ対策に励むのみ。これも時間が解決するが、骨盤体操を真面目に続ければ、回復は早まるとのこと。次回受診の10月27日には、「先生、回復しました」と報告できるといいのだが。  


2016.8.24(水)

小池都知事の活躍

 月末なのに、まだまだ蒸し暑い日が続く。朝、涼しいうちに散歩で外に出る以外は、終日、冷房の効いた部屋で過ごしている身には、暑さはそれほど感じない。

 リオオリンピックの閉会式でのフラッグハンドオーバー・セレモニーを華やかに終えて、小池百合子東京都知事は帰国した。3泊7日!のリオデジャネイロ訪問では、精力的に日程をこなし、十分な成果を挙げたこと、さすがである。閉会式での着物姿でのアピールなど、女性知事でよかったという気がする。お疲れ様でした。

 その疲れを癒やす間もなく、都政の重要課題に取り組まなければならない。東京オリンピックの経費節減、築地市場の豊洲移転などは、まったなしの課題である。早速、上山信一慶応大学教授ら5人の顧問による「都政改革本部」を動かして、改革に取り組む姿勢に期待したい。小池新知事の活躍を舛添前知事はどういう思いで見ているのだろうか。ちょっと気になる。


2016.8.22(月)

オリンピック閉幕、そしてトリプル台風

、そしてトリプル台風  リオオリンピックがやっと終わった。「やっと」というのは、これ以上続くと、こちらの精神に異常を来しそうだから。十分楽しみ、日本選手の活躍に十分興奮したのだから、この辺でもういいだろう、平常に戻ろうよという感覚である。

 開会前には大会をちゃんと運営できるのだろうかと、正直、懸念していた。結果的には、特に大きな失敗なしに運営できたのだから、ほっとしている。ブラジルの皆さん、変な心配をしてごめんなさい。Good job!でした。

 さて、4年後はTokyoで開催である。金メダルの数などより、世界の皆さんに楽しんでもらえるような大会運営をすることこそが金メダルに匹敵する。リオデジャネイロに負けないように。

 オリンピックが終わって、「オリンピック・ロス」という状態になる日本人は多いだろう。さらに「高校野球ロス」である。その空白を何が埋めるか。それは自分たちで考えること。

 オリンピック一色だったテレビ報道が、昨夜から台風情報一色になった。なにしろトリプル台風の接近なのだから、当然のことである。特に、NHKは精力的に、時間と労力をかけて報道していた。公共放送としての面目躍如である。

 報道の中で、「避難準備情報」が流されるが、これにどう対応したらいいのか、困惑してしまう。人的被害が発生する災害の可能性がある場合に、災害弱者(高齢者、障害者、子どもなど)を早期に避難させるために自治体が発令するものだが、一体どうやって、どこに避難させたらいいのか、さっぱりわからない。わからないこちらが悪いのだろうか。今回の台風被害については、我が家にじっとしているのが、一番安全であるということだけはよくわかる。


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