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浅野史郎メールマガジン バックナンバー

浅野史郎メールマガジン ━━━━━━━━━━━━━━━━━━2002/1/21
http://www.asanoshiro.org/                 第20号
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> <<目次>> <

 [週刊コラム・走りながら考えた]
  ○「第2段階の情報公開」(浅野史郎)

 [お知らせ]
  ○メルマガ登録者、相互リンク募集中です。

 [寄稿]
  ○選挙スタッフの雑感 その3(及川としみさん)

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> [週刊コラム・走りながら考えた] <

 ○「第2段階の情報公開」(浅野史郎)

 情報公開について聞かれるたびに、情報公開には第1段階と第2段階があ
るということを申し上げている。

 第1段階の情報公開とは、「隠しごとをしない」というものである。行政
にとって都合の悪い情報も、隠さずに開示していくこと。これはなかなかに
勇気のいることである。そして、その過程において、スキャンダルのたぐい
が暴露されるという副産物を生んできた。宮城県においても、まさにそのよ
うな試練を経て、「逃げない、隠さない、ごまかさない」というところにま
で到達したと言える。

 しかし、こういった形の情報公開は、まだまだ初期の段階であり、次ぎの
段階の情報公開へと進んでいかなければならない。それは、県民を県政の中
に巻き込んでいくことを意識した情報公開である。広報とはちょっと違う。
単に情報を流す、知らせるというのではなく、県民に県政への参加を促す要
素が入っている。

 例えば、県の財政状況についての情報開示である。宮城県の財政状況は、
極めて悪い。危機宣言を発しなければならないほどに悪化している。現在の
財政状態はどうなっているのか、何が原因でそうなっているのか、財政再建
のためにはどうすればいいのか、そして県はどうするつもりなのか。こういっ
たことを分かりやすく示していくことが、「次の段階の情報公開」と私が呼
んでいることである。

 昨年の宮城県知事選挙の直前である10月末に、県の財政再建推進プログ
ラムを公表した。財政危機に対応して、これから何をすべきかという全体像
を発表したのだが、その中で、500項目以上にわたる歳出削減の内容を示
す一覧表も示している。県の予算の中で、平成14年度において廃止又は縮
小する施策の項目を列挙したものである。県にとって、そして、選挙を目の
前にした現職知事にとって、どちらかと言えば出したくない情報であるが、
県民の理解を進めるためには、どうしても公表すべきものと考えた。

 新しい方向として、県の実施する事業に要する費用を公表することにして
いる。例えば、道路を建設する現場に工事概要の看板が立っているが、その
中に、その道路の建設に必要な経費、1メートルあたりの工事単価などを書
き込む。県の発行する印刷物に、一部あたりの単価を入れ込む。イベントの
開催にあたっては、その開催経費をお知らせする。こういったことである。
こういった情報の開示によって、県民が県の実施する事業についてのコスト
に関心を持ってもらえれば、県政への関心にもつながるのではないかと期待
している。

 私が「第2段階の情報公開」と呼んでいるのは、こういったものである。
鳥取県が職員の給与の実態について、「行政のお手盛り」(読売新聞の記事
から)と言われるものも含めて、県のホームページで公表するという試みを
しているが、これと通ずるところもある。県民に対して、県にとって都合が
いいか悪いかにかかわらず、実態を示すことによって県政への関心を呼び起
こすというものである。

 「おまかせ民主主義」ではなく、「ほんものの民主主義」へという過程に
おいては、こういった情報公開は欠かせない。県にとっても、ひとつの挑戦
である。そして、忘れないように付け加えておくが、第2段階の情報公開は、
第1段階の情報公開をしっかりと経た上でなければ、進むことができないも
のである。つまり、県政の恥部も含めさらけ出すという作業を経て、初めて
第2段階の情報公開が説得力を持ち得るのである。

 情報公開先進県としての名に恥じないように、これからも大いに努力して
いきたい。

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> [寄稿] <

 ○選挙スタッフの雑感 その3(及川としみさん)

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         選挙スタッフの雑感を掲載いたします。
        第3回は、選車スタッフの及川としみさんです。
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 ある車座集会で「子どもは私も入れて三人だ」という小さな女の子の言葉
にはっとしました。政治は大人のものだけでない、子どもからお年寄りの方
までいろいろな方が自分達の暮らしについて円くなって話し合う車座集会に、
浅野知事が考えるけっしておまかせ主義でない本物の民主主義があるのだと
気づかされた瞬間でした。

 また、「こうやって寒い中待っていて下さる、たくさんの皆さんがいて下
さるから浅野は4年間一生懸命頑張れるだと思います」という光子夫人のコ
メントを聞き、応援して下さる一人ひとりの力が、大きな人の輪が浅野知事
のパワーの源になっているのだと胸を熱くし、感動したことを今でも忘れる
ことはできません。

 そして、何と言っても助手席の浅野知事と後ろの木の箱のイスに座ってい
る光子夫人がいつも言葉を交わしながら、夫婦お二人で県内くまなく県民の
皆さんの生の声、生活の場の声を聞くために走り回っていた17日間の姿が印
象的でした。

 その場に私もスタッフの一人として参加させていただいたことを心から感
謝しています。 

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> [編集後記] <

 仙台は、年末からお正月にかけて大雪でしたが、本来雪が多く降るはずの
大寒なのにもかかわらず、「大雨」です。雪に変わる気配もなく、雨音だけ
聞いていると、まるで夕立のようです。

 それでは、次号の「浅野史郎メールマガジン」をお楽しみに。 (一馬)

                        皆さんのご意見、ご感想をお待ちしております。
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発行:浅野史郎・夢ネットワーク メールマガジン編集局 渡辺一馬


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