宮城県知事浅野史郎のWEBサイト『夢らいん』

浅野史郎メールマガジン バックナンバー

浅野史郎メールマガジン ━━━━━━━━━━━━━━━━━━2002/1/28
http://www.asanoshiro.org/                 第21号
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> <<目次>> <

 [週刊コラム・走りながら考えた]
  ○「みやぎらしい教育」(浅野史郎)

 [お知らせ]
  ○「玩具福祉の可能性を考えるセミナー」開催のお知らせ
  ○メルマガ登録者、相互リンク募集中です。

 [寄稿]
  ○「お金のかからない選挙」、「お金の流れない選挙」を実践したこと
    は、宮城県民の誇りです その1(田島良昭さん)

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> [週刊コラム・走りながら考えた] <

 ○「みやぎらしい教育」(浅野史郎)

 教育の分野は教育委員会の所管であって知事部局ではないということから、
教育問題については関心はあっても、具体的な政策は教育長にまずは考えて
もらおうという意識が私自身にもあったのかもしれない。しかし、先の選挙
での政策項目で、「みやぎらしい教育」について挙げたこともあり、私とし
ても教育問題については積極的に関わっていかなければならないと改めて思
い定めている。

 教育問題を庁内で論じていて気になるのは、「教育の機会均等」という概
念である。機会均等がいけないというのでは、もちろんない。あまりにも、
この概念が貫徹し過ぎているのではないか。実践面、意識の面の両面におい
て、ということである。

 教育分野においては、文部科学省の指導が貫徹している。教員の配置基準、
学習指導要領、教科書検定等々。箸の上げ下げまでというつもりはないが、
教育の根幹的な部分においては、地域の独自性を出す余地はほとんどないま
でに規制されている。その規制の正当性を支えるのが、「教育の機会均等」
という概念であることは言うまでもない。

 まさに、「言うまでもない」ということ自体が問題でもある。「機会均等」
の一言の下に、教育におけるみやぎらしさの探求への情熱が、自己規制され
てしまっているのではないかと恐れる。

 宮城の子ども達のために、どうやったらベストの教育がなされるのか、そ
の方法論が真剣に考えられるべきであり、そのおもむく先は、文部科学省の
定めた学習指導要領の枠を突き抜けるものであるかもしれない。しかし、最
初から、「学習指導要領の範囲内で」と自己規制して検討した場合には、落
ち着く先はある程度予測がついてしまう。

 小学校では、来春から総合的な学習というのが取り入れられる。必修で教
えられるべき範囲が縮小され、選択範囲が広がる。その方向については、結
構賛否の声がある。「ゆとり」の教育とはなにかなどについても議論になっ
ている。その議論に私も一枚加わるということではない。私にとっての疑問
は、なぜ全国一斉に同じ時期に出発するのかということである。

 行政施策におけるリスクの問題であるが、教育という極めて大事な分野で、
これほど賛否の議論があることを、全国で一斉にスタートさせることに何の
恐れも感じないのであろうか。「教育の機会均等」がここでも暗黙の了解な
のだろうが、失敗とまではいかなくとも、不具合があれば、全国すべてでそ
の影響が出る。リスクの分散というか、別な選択肢を設けて同時並行で実施
しておいて、一定の時期を経たのちにその成果を比較検討してみるというこ
とを可能にするためにも、「全国一斉」というのは問題なしとしない。

 みやぎらしい教育を考える際のもうひとつの論点は、教育分野における評
価、選択、競争ということである。それぞれの学校はどのように評価される
のか。ひとつの指標は、そこに通う生徒達の、学校への満足度がどうなって
いるかであろう。その方法論はともかく、学校を何らかの指標で相対評価し
ようという試みは、無視されていいはずはない。「お上」が一方的に独善的
に評価をするということになれば問題であるが、評価なきところ競争なし、
選択なしということになることも問題である。先生の評価についても、同様
である。

 次代を担う子ども達に対して、この宮城県でどうやったらベストの教育を
することができるか、そのことがまず第一義である。このことを真剣に考え
る必要がある。そうすれば、みやぎらしい独自の方策がおのずと出てくるの
ではないか。

 まだまだ、練られた議論ではない。教育については、すべての人が評論家
になりうる。つまり、その人なりの意見を持っているということである。そ
ういった議論が、まずは湧き上がることが大事であると思う。

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> [お知らせ] <

 ○「玩具福祉の可能性を考えるセミナー」開催のお知らせ

 玩具が社会福祉の現場にもたらす影響については、心身機能の向上、精神
上のリフレッシュ、コミュニケーションの増加、余暇の充実など、さまざま
なものが考えられています。実際に児童、障害者、高齢者向けに実践してい
る例も多くなっています。

 本セミナーでは、日本初の宮城プレイバスや、栃木県プレイバスの実践発
表など、たくさんの事例や研究から、玩具のもたらす幅広い影響を研究しま
す。

 特別講演の中澤健氏は、浅野史郎の厚生省時代の同僚で、現在アジアのペ
ナンで福祉の実践者としてご活躍です。

 たくさんの方のご参加をお待ちしています 


 日時 2002年2月16日(土) 10:30〜16:00 

 場所 ハーネル仙台 2階 松島の間 
    仙台市青葉区本町2−12−7 tel:022-222-1121 

 内容 1,あいさつ並びに応援メッセージ
       主催者、来賓:浅野史郎
    2,特別講演「ペナンの障害福祉状況とプレイバス活動」
       講師:中澤健氏(アジア地域福祉と交流会理事長)
    3,玩具プレゼンテーション
    4,シンポジウム テーマ「玩具のもつ可能性をもとめて・・・」
       コーディネーター: 小林るつ子氏 (玩具福祉学会)

 主催 高齢者のあそび福祉研究会 アジア地域福祉と交流の会 
    日本玩具福祉学会
 
 協力 社会福祉法人 宮城県福祉事業団 (株)カワダ エポック 
    (株)バンダイ 社会福祉・医療事業団 
                (本事業は社会福祉・医療事業団の助成金を受けています) 

  参加費 一人1,000円(当日受付にてお支払い願います。) 

 問い合わせ 宮城県福祉事業団 tel:022-263-0949 


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史郎の「生」の声を届けたいと思っておりますので、お近くにご紹介いただ
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> [寄稿] <

 ○「お金のかからない選挙」、「お金の流れない選挙」を実践したこと
   は、宮城県民の誇りです その1(田島良昭さん)

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    田島さんのインタビュー記事を2回に分けて掲載いたします。
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 2回目の選挙戦の失敗は、「選挙活動費が2800万円」という情報が流れて
しまった事でした。実際は1500万円の予算を立て、結果はほぼ予算通りの
1560万円だったのに。「どうだ!すごいだろう」と言いたかったのに言えな
くて、すごく残念でした。だから今回は「そこの所をもっとアピールしよう
じゃないか」「もっと少なくやってみようじゃないか」と、知事自ら「1000
万円」という目標を立てました。

 それと同時にお金がかからない選挙を実践したかったので、当然、入ると
ころも『100円カンパ』で賄いたいという意志が生まれました。出る部分、
入る部分を全て明らかにしていきながら選挙をすることは前回もやった事な
ので、今回はそれをより徹底させていこうとしたのです。

 今回の選挙で『100円カンパ』を成功させることができたのは、4年間
の浅野史郎の活動姿勢そのものによると言えるでしょう。そして政治資金に
対する彼の態度があるからこそです。世間では、皆から「そんなに集まるわ
けないだろう」と散々言われました。それは多分、前回の100円カンパを
やった時に、あれだけ集まった事にビックリしたけれども、他の政党の方が
真似をされたときに、「散々な結果に終わっていた」という経緯があったの
で、「前回はうまくいっても、今回はうまくいきっこない」と皆が思ったわ
けです。

 なぜ他の人が真似をしてうまくいかないのか?いかないはずです。浅野史
郎さんのような、お金に対する姿勢を日頃とっていないからです。史郎さん
は、「企業、団体から献金は頂きません」と言ってきました。しかし、他の
政党、政治家の皆さんは「企業、団体から一切献金を頂かない。個人献金だ
けでさせて頂きます」と、貫いている方はいらっしゃるでしょうか。要する
に、お金を集める事に対して手法の考え方が違います。「宮城県民」の皆さ
んにはそこをしっかり解っていただいていたという事が成功の秘訣でしょう。

 もう一つは知事がいろんな「給料カット、賞与半分」等、不祥事の責任を
取っている姿勢が県民の中に浸透していた事があります。この二つが背景に
あって「100円カンパをお願いします」と言うのと、そうでない人が言う
のとでは、まるで違います。ですから、100円カンパをお願いすれば、
きっとやって頂けるという、満々たる自信があったのです。何を言っても
1万人の方からカンパを頂いたという実績は、本当にすごい事であります。
"金額"もあるけれども、"10687人"という数を見た時、本当に良かった
と実感するからです。そして、それはどの政治家にも出来ない事だと思いま
す。入ってくるお金も「県民の皆様から浅野史郎への評価のお金である」と
思うのです。

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> [編集後記] <

 先週のこの欄でも大雨とかきましたが、昨日まで季節はずれの大雨でした。
10年前と気候が変わってきていることを実感します。

 メールマガジンより発行の歴史が古い機関誌「夢ネットワーク」の発行が
近づいてきました。今週中には、購読希望の方のお手元に届く予定です。

 それでは、次号の「浅野史郎メールマガジン」をお楽しみに。 (一馬)

                        皆さんのご意見、ご感想をお待ちしております。
                            メールアドレス mmz@asanoshiro.org

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浅野史郎メールマガジン http://www.asanoshiro.org/
発行:浅野史郎・夢ネットワーク メールマガジン編集局 渡辺一馬


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