宮城県知事浅野史郎のWEBサイト『夢らいん』

浅野史郎メールマガジン バックナンバー

浅野史郎メールマガジン ━━━━━━━━━━━━━━━━━━2002/5/13
http://www.asanoshiro.org/                 第36号
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> <<目次>> <

 [週刊コラム・走りながら考えた]
  ○「首都機能移転」(浅野史郎)

 [お知らせ]
  ○「とっておきの音楽祭」が本になりました。
  ○メルマガ登録者、相互リンク募集中です。

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> [週刊コラム・走りながら考えた] <

 ○「首都機能移転」(浅野史郎)

 首都機能移転について、新聞記事の検索をしても、ごく限られたものしか
出てこない。有事法制、個人情報保護法などについては、各紙で特集記事が
組まれているのと好対照である。

 日程で言えば、五月中に移転候補地の絞り込みがなされることになってい
る。どれだけその作業が進んでいるのか。少なくとも、国民一般にはほとん
ど見えてこない。そもそも、国民的な議論になることさえなくなっている。

 首都機能移転は国会の決議事項である。国家の意思として明確になってい
るのであるから、予定にしたがって着々と進めていくべきものである。移転
候補地としては、宮城県南部も含まれていたが、3ヶ所に絞り込まれる段階
で、候補地からは落ちた。宮城県南部が候補地に含まれている段階では、私
も国会の特別委員会に参考人として呼ばれて、何度か移転促進のための論陣
を張ったものである。

 確かに、国会決議当時と比べて、国の財政状況は逼迫している。しかし、
首都機能移転は、財政状況がいいから行なって、悪くなったらやめるという
ことで始まったものではない。21世紀の新しい国家のありかたとして、首
都が東京のままでいいのかという問題意識から提起されたものである。むし
ろ、景気がなかなか回復しないという八方ふさがりの状況の中で、意義ある
公共事業の最たるものとしての国家プロジェクトと位置付けられるべきもの
である。

 東京都の石原慎太郎知事をはじめとして、強力な反対論がある。一方に、
九州各県などでは、反対論までもいかない全くの無関心が存在している。そ
んなことはあたりまえである。これだけの国家的事業であるから、それぞれ
の立場で温度差があるのは、当然ではないか。この種の国家的一大事業を進
めるためには、なんといっても、強力なリーダーシップが欠かせない。これ
また、当然のことである。

 そういった意味で、この問題に関して、小泉首相のリーダーシップが発揮
されていないことは、嘆かわしい。「それぞれで慎重に検討してくれ」と
いって済む問題では全くない。「首都機能移転を、いかなる反対があろうと
も、決められた日程にしたがって、しっかりと進めよ」といった指導力を、
今こそ発揮すべきである。

 それにしても、国として方針を決め、首都機能移転候補地を抱える知事ど
うしを競わせ、いかにもその気にさせておいて、そのあとは成り行きに任せ
ているかの如く見える国家のあり方というのは、一体どうしたことであろう
か。ことここに至って、「首都機能移転候補地をどこにしたらいいか、全国
会議員にアンケート調査をしよう」といったことまで言われている。大いに
違和感を感じる。そんな場合じゃないだろうにと思ってしまう。今やるべき
は、首都機能移転を断固進めるべしという、決然たるリーダーシップである
ことを繰り返したい。
 
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> [お知らせ] <

 ○「とっておきの音楽祭」が本になりました。

 障害のある人もない人も一緒に音楽を楽しみ、音楽で心のバリアフリーを
目指す「とっておきの音楽祭」が本になりました。是非、お手にとってご覧
下さい。

『音楽でバリアを打ち壊せ』
 岩波ジュニア新書 780円
 菊地昭典 著   千坂コウイチロウ 写真
 2002年4月20日発売

<内容>(とっておきの音楽祭ホームページより転載)

 10月8日あの日のあの感動が本として甦りました。書いたのは実行委員
会の企画プロデューサーである菊地さん、写真はプロの写真家であり実行委
員の千坂さんです。

 初めての試みにとまどい、時には激論を交わし時には感涙し、準備をすす
めていく市民ボランティアの実行委員たち。福祉シロウトの著者が自分の心
のバリアに気付き、悩み、その原因を探っていきます。

 養護学校の生徒たちとの心温まる交流。心のバリアフリーを熱く訴える
ミュージシャンたち。そして10月8日、ストリートステージでの障害のあ
る人とない人の共演は、街往く人たちの心に響きました。

 小雨が降り冷え冷えとしていましたが、街はあたたかい空気に包まれてい
ました。躍動感のある写真と内容、感動がいっぱいつまったこの本をご一読
ください。

詳しくはこちらから
http://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/50/6/5003960.html

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> [編集後記] <

 2002FIFAワールドカップまで、あと一月を切りました。一ヶ月後の明日は
チェニジア対日本(予選リーグ・大阪会場)が行われます。

 宮城でも、6月9日、12日、18日に1試合ずつ行われます。場所は、仙台市
北部、利府町にある宮城スタジアムで。何だか、もうワクワクしてしまいま
す。早く来ないかなと。

 それでは、次号の「浅野史郎メールマガジン」をお楽しみに。 (一馬)

                        皆さんのご意見、ご感想をお待ちしております。
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発行:浅野史郎・夢ネットワーク メールマガジン編集局 渡辺一馬


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