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浅野史郎メールマガジン ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2002/11/20
http://www.asanoshiro.org/                  第63号
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> <<目次>> <

 [週刊コラム・走りながら考えた]
  ○「ロスアンジェルス訪問」(浅野史郎)

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 ○「ロスアンジェルス訪問」(浅野史郎)

 今回は、11月8日から12日までのロスアンジェルス訪問について。こ
の間日本を留守していたので、最新の情報に触れる機会があまりなかった。
だから、このコラムに書くのにふさわしい話題をみつけることができなかっ
た。という言い訳で、修学旅行の感想文のようなものを書くことになる。

 南カリフォルニアと言えば青い空。「南カリフォルニアでは雨が降らない」
とかいった歌詞の歌があったような気がする。ともあれ、現地時間で11月
8日の午前9時過ぎにロスアンジェルス空港に降り立った時には、南カリ
フォルニアの青い空が迎えてくれるものだと決め付けていた。実際のところ
は、大雨。現地の人たちの記憶にないほどの大雨。しかも、翌日も雨。こん
な雨が2日続いたことなど、まず思い出せないと言いながら、私の顔を見る
ロスアンジェルスの人たち。

 そもそも、今回のロスアンジェルス訪問の目的は、現地の南加宮城県人会
百周年記念式典に出席することである。百年前、16人の宮城県出身の方々
が、このロスアンジェルスの地で、県人会を作ろうと思い立った。がむしゃ
らに働いてそれなりの成功を収めていた宮城県人たち。そして、第2次世界
大戦直前の日本人収容所への強制移住。その歴史についは、リトル・トー
キョーの中にある立派な日系人博物館で詳細に知ることができた。

 戦後、無一文で再出発を強いられた宮城県人をはじめとする日系人たち。
そして、新たに南カリフォルニアに渡った宮城県出身者たち。力を合わせて、
それぞれの成功を勝ち得ていった。

 そういった方々の歴史の上に成り立った今回の百周年記念式典である。米
澤義人会長をはじめ県人会の方々の感慨はいかばかりであろうか。そういっ
た中に身を置くことができたこと、そして私達の出席をとても喜んでいただ
いたこと、私としても、来てよかったという気持ちで一杯になった。

 今回の訪問で、県人会の方々からの苦労話のほうは、聞く機会がなかった。
そのかわりにと言うべきなのか、2世から5世までの、若い人達の意見を聞
く機会に恵まれた。よく言われることであるが、日本人以上に日本人らしい
ところがある。「嫁いだら、家のお姑さんによく尽くしなさい」、「他人に
迷惑をかけないように」、「しっかり親孝行を」といったように、今の日本
ではあまり聞かれない道徳が、日系人であるからこそ脈々と生きている。異
国にあって、親達はことさらに日本人らしさを子ども達に対して強調すると
いう気持ちはよくわかる。

 家の中では、靴を脱いだ生活というのも、ほとんどの子ども達が言ってい
たことである。5世のジュウベエ君は剣道を習っていた。日本に留学をした
いのだそうだ。日本で英語の教師の経験をしたい、日本企業と仕事をしたい
といった希望がほとんどの若者から示された。その際に、宮城県ということ
はあまり意識されていない。宮城県出身というより、日系人というのがアイ
デンティティ(自己認識)の中核であるようだ。それも当然であろうが、と
なると、南加宮城県人会の将来は、今とは違った形で構想していく必要が出
てきそうである。

 こういった若い人達が、短い期間でも宮城県を訪れて、いろいろな人達と
語り、宮城県の風物、歴史などを知る機会が持てたら、新たな展開が期待さ
れそうな気がする。自分達のルーツを知る、違いを知る、そのことを将来の
生き方に取り入れていく。実務的な面でも、宮城県とカリフォルニアとの関
係が強固になれば、なおのこと結構。宮城県ということだけにこだわらず、
宮城県を彼等にとって一つのよりどころとしてということでも、一向に構わ
ない。

 そんなことを考えながら、滞在3日目からは青い空が広がったカリフォル
ニアで、太平洋の青さを目に焼きつけながらジョギングをしていた私である。
南カリフォルニアは、決して青い空だけではないことを知ったのも収穫。ロ
スアンジェルスの人達も、ちゃんと傘を持っていることも確認できた。ロス
アンジェルスのダウンタウンのホームレス達の「ホーム」は段ボールではな
くて、小さなテントであることも発見。

 公式日程の合間に、カリフォルニア工科大学を訪問して、産学連携につい
てみっちり教えを受けたことも収穫であったが、この件については、いずれ
機会があれば書いてみたい。

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> [編集後記] <

 一日遅れの配信となってしました。配信をお楽しみにされていた皆様に、
ご心配とご迷惑をおかけしました。申し訳ありません。

 気がつくともう11月も、残りあと10日。そろそろ年賀状の準備が始ま
りますね。私は、住所録の整備を今からコツコツと進めようと思っています。

 それでは、次号の「浅野史郎メールマガジン」をお楽しみに。 (一馬)

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発行:浅野史郎・夢ネットワーク メールマガジン編集局 渡辺一馬


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