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浅野史郎メールマガジン バックナンバー

浅野史郎メールマガジン ━━━━━━━━━━━━━━━━━━2004/4/27
http://www.asanoshiro.org/                  第138号
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> <<目次>> <

 [週刊コラム・走りながら考えた]
  ○「宮城県立こども病院の春」(浅野史郎)

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 ○「宮城県立こども病院の春」(浅野史郎)

 宮城県立こども病院は、平成15年11月の開院なので、初めての春を迎
えている。愛子(あやし)あたりでもソメイヨシノは終わり、今は八重桜が
残るだけ。このところ、週末の早朝ランニングで、我が家からこども病院前
を通って仙山線愛子駅折り返しのコースを走ることが多くなっているが、春
の光の中でこども病院はまことに美しく輝いている。

 実は、11月の開院直後は、シックハウス症候群の発生を心配する「騒動」
があったこともあり、入院、外来ともに、患者が思ったほど集まらず、私と
してもやきもきしたものである。まだまだ満床には遠いが、それでも利用患
者数は増えつつあり、その面ではなんとか安心できそうな見通しは見えてき
た。

 「量はともかく質のほうは」という言い方もなんではあるが、利用した患
者さん、ご家族からは、高い評価をいただいているようである。先日、病院
から「院長さん 聞いて!」というタイトルで始めた投書の概要を見せても
らった。いくつか紹介しよう。

 「子どもたちが大喜びで待ち時間を過ごしました」(1.6―投書記入日、
以下同じ)、

 「とてもきれいで、私までワクワクしてしまいました。子どもたちは、楽
しいを連発して帰りたがりません。先生方もとても気さくに声を掛けて下さ
り、暖かさを感じました。スタッフの対応もとても良く思います」(1.2
8)、

 「私達の話に耳を傾けてくれる、どの子も大切に診てくれる。この病院の
先生や看護師さんたちの笑顔にどれだけ救われることか」(2.27)、

 「子どもの意見を尊重してくれたり、家族と離れて生活する寂しさをプレ
イルームやスタッフの方々、子ども同士が前向きに元気一杯でいられる環境
の施設であったことに、心から感謝したい」(3.4)、

 「ドクター、スタッフの方々のケアに感心しました、十年前にもこのよう
な病院があったなら、看護する母親たちの心のリスクも少なかったのではと
思います」(3.25)、

 「検査前の注射の時、子どもが泣いてしましましたが、スタッフの皆様が
やさしく声を掛けて下さいました。素晴らしいスタッフばかりで感心いたし
ました」(4.7)、

 「検査室の検査機械にドラえもんの絵が貼ってあったり、検査を受けなが
らビデオを見たり、親がそばに立ち会えることができたのが、本人に安心感
を与えたようです。子どものことを考えている素晴らしい病院ですね」(4.
7)、

 長々と引用してしまった。県立病院であるから、ほめられれば私としても
うれしい。我田引水、自画自賛のそしりを受けないようにしなければならな
いが、ついつい書き連ねてしまった。最後にもう一つだけ。

 「このたび退院することになり、どうしてもお礼の言葉をと思いました。
入院当時の私は医療に対する不信の状態でした。でも、子ども病院でお世話
になり、先生方にはその都度説明いただき、看護師さん方には心のこもった
ケア(子どもにだけでなく、不安を抱く親に対しても)まで気遣いいただき
ました。行政に負けぬように、今後も今までどおりのケアができる病院で
あって欲しいです」(4.12)

 「行政に負けぬように」というところは、どういう意味なのかなと考えさ
せられるが、それはともかく、このように高い評価をいただいていることは、
素直に喜びたいし、大井院長をはじめ病院のスタッフの皆さんに感謝をした
い。高く評価を受けているところは、医療そのものというよりも、スタッフ
の心配りの部分が多い。逆に言うと、これまでの小児医療に欠けていたもの
が、この部分であったということになる。つまり、患者側の話を親身に聞く
姿勢とか、子どもの心をなごませるちょっとした仕掛けなど。これはこれで、
いろいろなことを考えさせられる。

 宮城県立こども病院は、報道でも紹介され、いずれも高い評価をいただい
ている。上の投書で紹介したようなこともそうだが、特に、成育支援部門の
役割を正しく理解した上での評価であることがうれしい。日本の子ども病院
では初めての、チャイルド・ライフ・スペシャリストの配置が、めずらしさ
もあり、好意的に報道されている。もっと紹介されていいのにと思うのが、
ボランティアの皆さんの活動であるが、これもいずれ注目されることになる
だろう。

 こども病院にとっては、まだまだ懸案はある。できるだけ早く、満床に近
い状態に持っていかなければならない。年間20億円を超える赤字が出るこ
とは、小児専門病院という特殊性から避けられないが、これをできるだけ縮
小することに努めなければならない。医療の質の面では、早い時期に、「こ
の分野だったら宮城のこども病院だな」と言われるような得意科目を持たな
ければならない。救急対応も懸案である。

 ということで、手放しでは喜べないが、宮城県立こども病院の初めての春
は、期待の声の中にある。そういった熱い期待に応えていくこと。スタッフ
も、そして行政も、同じ方向を向いて、大いに努力していきたい。

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 今回は、滑り込み火曜日発行です。
 と、書かなければいけないのが、問題なのですが。

 それでは、来週の「浅野史郎メールマガジン」をお楽しみに。 (一馬)

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発行:浅野史郎・夢ネットワーク メールマガジン編集局 渡辺一馬


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