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浅野史郎メールマガジン バックナンバー

浅野史郎メールマガジン ━━━━━━━━━━━━━━━━━━2004/8/17
http://www.asanoshiro.org/                  第154号
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> <<目次>> <

 [週刊コラム・走りながら考えた]
  ○「お盆」(浅野史郎)

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 ○「お盆」(浅野史郎)

 お盆というのは、国民の祝日でもないし、お正月のようなくっきりとした
区切りでもない。それでも、準制度化というのだろうか、日本全国どこでも、
お店、会社、官公庁が開店休業のような状態になる。これも、不思議と言え
ば不思議。美しき習慣と言ったほうがいいかもしれない。

 個人的にも、公的にもいろいろなことがある時期でもある。個人的なこと
で言えば、昭和56年に65歳で亡くなった父の命日が8月18日。私が3
年間の在ワシントン日本大使館の勤務から戻ってきた、その年に亡くなった。
8月19日は、長女の誕生日。昭和53年、私はワシントン単身赴任のワシ
ンチョン状態の時期、妻が日本に残って産んだが、3ヶ月近くも早産であっ
た。

 エルヴィス・プレスリーが42歳で亡くなったのが、1977年8月16
日。4年前には、お盆休みをうまく使うことができて、テネシー州メンフィ
スのグレースランドへの墓参りツアーに妻とともに行ってきた。グレースラ
ンドは、エルヴィスが1957年以来住み続け、亡くなったところでもある
邸宅の名前。8月16日を中心に、世界各国から、何万人ものエルヴィス・
ファンが集まる。メンフィス市では、この時期を「エルヴィス・ウィーク」
に指定している。今年も、ファンがどっと押し寄せたはずである。デビュー
して50年目、亡くなってからでも27年経っているのに、この熱狂ぶりは
エルヴィス・プレスリーの偉大さの現れである。我々が4年前に行ったのは、
総勢20数名のツアー。そのうちの何人かとは、今でも同窓会をやっている。
この季節になると、連日40℃のメンフィスの暑さを思い出す。

 個人的以外では、広島、長崎の原爆被爆記念式典があり、8月15日の終
戦記念日へとつながる。夏の甲子園大会の開催中に、この時期を迎えること
になるのだが、試合を中断して黙祷を捧げる場面が、いつもながら印象に残
る。高校球児たちが、日本が戦争に負けたという歴史的事実を、こういう形
で認識するのも、悪いことではない。

 仙台七夕をはじめとする東北三大祭がこの時期、実際には、お盆の少し前
に集中する。仙台では、七夕を過ぎれば朝晩に秋風が吹くと言われているの
だが、今年の猛暑では、その実感はちょっと薄い。祭りだ、お盆だ、花火大
会だと、楽しいことばかりの季節ではあるが、ある日、ふと秋風が吹くのを
感じる。そうだ、長かった夏休みももうじき終わるのだ。宿題を片付けなく
てはとあせりながら、同時に夏が行く寂しさを感じる。それが、丁度このあ
たりである。

 お盆は帰省の機会であるので、同窓会の季節となる。高校の学年同窓会は、
スケジュールが合わずに欠席だが、小学校のクラス会は出席できた。4年に
1回、オリンピックの年に開催することになっている。前回は、例のエル
ヴィス墓参りで欠席してしまったが、今回は温泉泊りがけのみっちり、ゆっ
たりクラス会に出席した。男10名、女6名が出席。3年生から卒業までク
ラス替えがなかったので、まとまりは非常にいい。3,4年生時の担任の先
生も、大変お元気でご出席。クラスメイトの大半は仙台在住なので、会う機
会は少なくないのだが、県外メンバーも参加できるのは、お盆という習慣が
残っているからこそである。次回は、全員還暦を過ぎる。

 東京の大学で遊学中の次女も、クラブ活動などで忙しいようだが、さすが
にこの時期には仙台に帰ってくる。私もそうだったが、親が思うほどには子
供は帰省を心待ちにはしていない。東京での自分の生活のほうが楽しいはず。
それでも、お盆となれば、帰ってくる。小学校、中学校、高校は仙台の学校
を卒業した彼女であるが、クラス会は計画されているのだろうか。

 先祖の霊をお迎えするという、お盆本来の意味も、決して忘れられている
わけではない。仙台市内でも、お墓のあるあたりは、交通渋滞である。私も、
この時期、お墓参りはきっちりとする。前々回書いた熊谷達也さんの作品に
「迎え火の山」というのがあるが、これは先祖の霊の実在についての、やや
オカルト的な小説である。一年のうちで、お盆の時期ぐらいは、霊の存在を
信じるのも悪くないと思う。

 今回は、天下国家のこととは、全く縁のないテーマであった。お盆という、
個人的な思いが一杯詰まった季節であるので、こういうテーマも許していた
だきたい。

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 <倉島さまから:“リーダー養成塾”について>

 知事のメールを見て、久方ぶりに純粋に希望が湧く感じである。意欲ある
若者にとっては学校の授業ほど面白みも無いのではと想う。社会との接点が
少なく、見聞きする事象には大人社会の身勝手な論理が罷り通り、若者が参
画するチャンスさえ無い。

 このリーダー養成塾から将来の首相が輩出されれば、企画者・講師ともど
も大変喜ばしい事だ。一部に「高校生に差をつける」との意見もあったよう
だが、参加する高校生にとっては講座の目的がハッキリしており、講師陣が
整えばこそ真剣に聞き理解を深める為の質問が予想を越えたものになったと
想う。

 最近はやたらと公平さを気にする傾向が社会全般に溢れて、運動会で順番
をつけ無いなど些かどうかと想う事が多すぎる。意味も無い公平さは社会に
出る際の大きな障害にも繋がり、決して誉められた事ではない。社会生活に
は否応も無い優勝劣敗の制度があることを小さい時から頭に入れておくこと
など絶対必要な事であり、日本の教育制度の中で勉学成績のみが評価される
事は代えてゆかねばならない。



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> [編集後記] <

 お盆もすぎて、すっかり秋です。私もたまった宿題を片付けないと。

 それでは、来週の「浅野史郎メールマガジン」をお楽しみに。 (一馬)

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発行:浅野史郎・夢ネットワーク メールマガジン編集局 渡辺一馬


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