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浅野史郎メールマガジン ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2004/11/10
http://www.asanoshiro.org/                  第166号
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> <<目次>> <

 [週刊コラム・走りながら考えた]
  ○「プロ野球がやってくる」(浅野史郎)

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 ○「プロ野球がやってくる」(浅野史郎)

 宮城県を本拠地とするプロ野球の新球団が決まった。ライブドアがNPB
(日本プロ野球機構)に新規参入の申請を出したのが、9月16日。11月
2日に、参入球団として楽天が正式に決まるまで、約1ヶ月半。その1ヶ月
半の間、宮城県内だけでなく、日本国中がこの話題で沸騰した。決定の翌朝
の全国紙では、このニュースが一面トップ。アメリカの大統領選挙が一日早
かったら、「ブッシュ再選」と「楽天決定」どちらが一面トップを飾ったの
だろうか。

 ロッテ球団が、昭和48年から昭和52年まで、宮城球場を本拠地ないし
準本拠地にしていたが、そのロッテが撤退してから27年。宮城県にはプロ
野球のフランチャイズがない時代が続いた。その間、県営宮城球場の老朽化
は進み、プロ野球の試合が行われる回数も年間数試合にまで減ってしまって
いる。そこに降って湧いたように飛び込んできたのが、ライブドアによる宮
城県を本拠地とする球団の参入の話であった。

 話があったのは、9月9日。ライブドアの堀江社長と東京でお会いした時
に、その提案があった。「宮城球場は、立地条件は最高ですが、球場の老朽
化も相当ですよ」と申し上げたが、改修はライブドア社の負担で行うという
ので、「それでは受け入れましょう」ということになった。9月16日のラ
イブドア社の加入申請に続いて、楽天が9月24日に加入申請。本拠地を同
じく宮城県とするということで、両者の競合の図式が確定した。

 プロ野球の再編問題、史上初めてのストライキ。プロ野球ファンだけでな
く、多くの人たちの関心を集める下地があったということもある。ライブド
アか楽天かという話題が、たちまちのうちに沸騰した。なにしろ、わかりや
すい。「楽天はあと出しジャンケン」という言い方も、ハートに訴える。楽
天のほうは、バックに誰かがついているという「噂」も耳に入る。堀江社長
は八方破れで親しみやすく、既存の勢力に対して孤軍奮闘している雰囲気で
ある。こうして、ライブドアに圧倒的な共感が集まった。

 お手紙、eメールもびっくりするほど多くいただいた。ライブドア支持が
ほとんどである。心を動かされる真摯な内容のものが多かった。しかし、プ
ロ野球に新規に誰を迎え入れるかということを決めるのは、あくまでもプロ
野球という業界内部のこと。その結果は、良くても悪くても、プロ野球業界
が引き受けることになるのだから、業界が責任をもって決定するのは当然で
ある。これは、どんな業界であっても同様であろう。ファンあってのプロ野
球であるが、そのことも判断材料とはしつつも、最後に決めるのは業界の義
務であり権利である。責任も伴う。つまりはNPBに決定は委ねられている。
このことを看過すると大変なことになる。そのことだけを胸に刻んで、時時
刻刻対処してきたつもりである。

 それはそうとして、世論は盛り上がった。一人ひとりが、自分の問題とし
て受け止めたようである。イラクからの自衛隊撤退の是非とか、郵政民営化、
三位一体改革のように、複雑な問題でもない。感情に訴える要素があるから、
何か言いたい、言わずにいられないという要素がある。

 ともあれ、宮城県を本拠地とするプロ野球チームが誕生した。新球団がで
きるのは50年ぶり、宮城県を本拠地とするチームは27年ぶり。いずれに
しても地元とすれば待ちに待った球団の誕生である。「東北楽天ゴールデン
イーグルス」という球団名も決まった。具体的に応援する球団が確定したの
で、ファンの思いも具体的になり、対応の仕方も具体的に考えられる。これ
から、急ピッチでムードが盛り上がり、準備も進んでいくであろう。

 「古い、汚い、狭い」と酷評された宮城県営球場の改修が、まずは、絶対
条件である。来季のオープンに間に合わせるためには、4ヶ月しかない。そ
の中で、プロ野球の使用に耐える球場というだけでなく、夢のある楽しい空
間にしていくという目標も達成しなければならない。楽天野球団にいろいろ
考えがあるようなので、県としては、側面から援助していきたい。

 球場使用権のこともある。アマチュアにも一定程度の使用をさせるといっ
た基本的なことを守ってもらえれば、あとはなるべく球団の自由裁量で球場
を使用してもらう。広告料の収入、物販の利益などは、球団のものとなるの
だから、この面でも営業活動を十分にしてもらうことになる。新しい形の球
場運営になればいいと期待している。

 短期間に、有力な選手を、あまりお金をかけずに確保できるのだろうかと
いった懸案はまだまだある。生まれたばかりの赤ん坊といえる新球団は、こ
れからどんなふうに育っていくのだろうか。育てるのは、球団関係者だけで
はない。我々地元、ファンの方々などがこれに関わっていく。そのこと自体
が心ときめく作業である。困難もあろうが、それこそがドラマである。ドラ
マの登場人物として活躍し、あとから振り返って「良かった」と思えるよう
な努力を、みんなで積み重ねていく。そんな風になれば本当にいいなと思っ
ている。

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> [編集後記] <

 早速、昨日(9日)より宮城球場の改修作業が始まりました。改修前に一
度宮城球場を見ておこうと、10月末に球場に足を運びました。

 何度かプロ野球観戦で行ったことがありましたが、改めて見てみると、や
はり古い。ですが、グラウンドとスタンドが近く、「野球を観る」ためには
すてきな球場だったなと思いかえしました。

 新しい球場に新しい球団。来年春が待ち遠しい。
 
 それでは、来週の「浅野史郎メールマガジン」をお楽しみに。 (一馬)

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発行:浅野史郎・夢ネットワーク メールマガジン編集局 渡辺一馬


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